終身保険の減額の注意点

こんにちは。

終身保険の減額で解約返戻金を受け取るときの注意点についてです。

 

弟子

終身保険って老後資金にもなるんでしたよね?

師匠

解約すれば解約返戻金があるからのぅ

弟子

一部だけ解約もできるんでしたよね?

師匠

できるぞ、一部解約して減額分の解約返戻金をうけとることもできるぞ

 

終身保険は解約すると解約返戻金を受け取ることができます。

減額は一部解約のことで、解約した部分に相当する解約返戻金が受け取れます。

 

一時所得になる

 

弟子

解約返戻金をもらうと税金がかかりますか?

師匠

一時所得で、ほかの所得と総合課税になるんじゃ

 

一時所得の計算は

(受取金額-払込保険料-50万円)となり、その半分が他の所得と合算されて課税となります。

たとえば払込保険料 500万円、解約返戻金 600万円のときは

(600-500-50)万円で50万円、この半分の25万円が課税対象になります。

 

弟子

なんで50万円引いてくれたり半分になったりするんですか?

師匠

「イレギュラーで入った所得」という意味で考慮してくれるんじゃ

 

減額のとき

弟子

じゃあ、減額し続けて受け取っても考慮してくれますか?

師匠

減額のときは払込保険料に達するまでは非課税じゃ

 

減額するときの一時所得の計算では、払込保険料に達するまでは非課税です。

払込保険料に達するまでは元本の払い戻しであると考えるからです。

 

弟子

え~と・・・???

師匠

整理してみようかの

 

払い払込保険料 500万円

解約返戻金   600万円

 

たとえば今年減額して解約返戻金のうち250万円を受け取り、翌年また減額して250万円を受け取ったとき

今年:250万円-250万円=非課税(払込保険料に達していないから)

翌年:250万円-250万円=非課税(払込保険料に達していないから)

このように払込額までの受け取りであれば課税されません。

 

弟子

超えたらどうなりますか?

師匠

超えたら一時所得じゃ

 

払込額を超えた分は一時所得となります。

残りの100万円の解約金を全部受け取ると、

100万円ー50万円=50万円

これの半分の25万円が課税対象になります。

 

50万円の控除は1契約に1回

弟子

超えた分が税金の対象なんですね

師匠

50万円の控除は1契約に1回なんじゃ

 

残りの100万円の解約返戻金については

2回に分けてもらうと50万円の控除が2回使えて課税なし、となりそうですが、

トータルで、受取額600万と保険料500万の差額に50万円の控除が1回使えます。

 

総合課税

弟子

25万円が課税対象だとして実際いくら税金がかかるのですか?

師匠

総合課税なので、その人の所得の多寡によって税率が違うんじゃ

 

現役時代の所得税率が高いときに受け取ると・・・

税率が30%(所得税20%・住民税10%)で、ざっくり簡便計算すると

25万円の30%=7.5万円

 

年金生活になって税率が下がってから受け取ると・・・

税率が15%(所得税5%・住民税10%)だと

25万円の15%=3.75万円

 

弟子

意外と違いますね

師匠

損益が決まる出口が大事なんじゃ

 

出口の手取り額でよく比較することが大事です。

 

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3 Comments to 終身保険の減額の注意点

  1. 山本 より:

    とても参考になります。有難うございます。
    ですが、1つ質問させてください。
    一時所得の特別控除50万円は1契約に1回と表記されておりますが、
    他の税理士に確認したところ、それは誤りで、1年に1回を限度に何回でも使う事ができると伺っております。
    つまり、毎年50万円ずつ減額を行う事で一時所得を0にする事も可能であるとの事です。
    実際のところ、上記については誤りなんでしょうか。
    ご返信お待ちしております。

  2. 山脇 喜宏 より:

    上記のとおりの回答でした、国税庁に確認いたしました。なんどもつかえると不合理となるという回答でした。按分ではないという回答でした。なので契約を分けていれば毎年50万円つかえますね

    • sachiko より:

      山脇様 コメントありがとうございます。そうですね。契約を小分けにしていれば1本ずつ解約して50万円ずつ使えますね

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